リフォームのトリビア

バリアフリーを考えたら、上がり框はリフォームで取ってしまうべき?

バリアフリーを考えたら

「上がり框(あがりかまち)」とは、土足部分と室内を分けるために玄関に作られた横木の段差のことを言います。「玄関框(げんかんかまち)」と呼ばれることもあります。

家の中で靴を脱ぐ文化を持つ日本ではごく当たり前に住宅に設置されている箇所ですが、玄関は毎日使う場所なので、この上がり框もデザインや使い勝手などにこだわりを持たせることが快適な生活に繋がります。上がり框を考える上で重要になるのが高さです。

実はこれが一番いい、という基準はなく、使い勝手は家族構成や生活習慣によって変わります。賃貸住宅では50~70ミリメートル、戸建住宅では150~170ミリメートルに設定しているメーカーが多いようです。

上がり框はリフォームで取ってしまうべき?上がり框を低くしたい、あるいは全て取り払って土足部分と室内の段差をなくしたいとリフォームを決める人が増えています。理由の多くは住宅のバリアフリー化です。上がり框が高すぎると車椅子での出入りが難しくなってしまうからです。

また、高齢になってくると高い段差で転倒などの危険が生じる他、上り下りが足腰の負担になってしまい外出自体億劫になってしまうという人も多いです。


玄関収納を作りたい、廊下を広げたいなど他の悩みも一挙に解決したいなら、思い切ってリフォームを行い段差を完全になくしてしまうのもいいでしょう。一度に施工することで工事の手間を省き費用もある程度抑えることができます

ただし、上がり框には椅子代わりに腰掛けるという役割もあるため、完全になくしてしまう場合は既製品の椅子を別で用意しておくか、壁に収納できる椅子を取り付けておくのがおすすめです。腰掛けられる場所があると、靴の脱ぎ履きがしやすくなります。

費用をかけたくなく、あるいはバリアフリー化はしたいが段差を完全になくしたくないというときは、階段やスロープを取り付けて移動しやすくするというのも1つの方法です。

取り付けるだけなので、段差を完全になくしてしまうより工期も短く、費用も安くなります。取り付ける際は手すりも一緒に、廊下や玄関ドアとの動線なども考えた上で移動しやすい形を探りましょう。いろいろな選択肢を考えて、家族全員が生活しやすいスタイルを考えることが大切です。